弥生 桜街道上山。花の山形。【上山市〜山形市】

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桜前線は繰り上げ北上中。
63武家屋敷の桜s★DSC00442.jpg07月岡公園から眺望s★DSC00587.jpg80霞城公園s★DSC00102.jpg
【左/武家屋敷通りの桜 中/月岡公園からの眺望 右/霞城公園 外堀に遊ぶ水鳥と桜】

 今年の桜は例年よりもだいぶ気が早く、開花が全国的に1週間〜10日ほども早まっているとか。『その理由は今年は冬が寒かったから、なんだって。』『どういうこと?』なんでも、桜の花芽は休眠物質を蓄えていて、それが無くならないと目覚めることができないそうです。休眠物質を減少させるためには冬の寒さが必要で、殊の外寒かった今年は、開花の準備が整うのが例年以上にかなり早かった、ということみたいです。
 理屈はさておき、桜の季節とくれば「花見、花見」と心が浮き立つのは日本人の性。桜名所と言われるところは日本全国数々あるわけですが、ここまで夏、秋、冬と『かみのやま』への旅をしてきたからには、ここでの桜を見ずにどうする?ということで相方との意見が一致。今回は上山〜山形市のコースで桜三昧することに決定です。『花笠音頭にも「花の山形」ってうたわれてるしね。』
 桜前線の北上予想と自分達のスケジュールをにらめっこしながら、4/16・17の日程で調整。「置賜花回廊」にも心ひかれますが、開花予想が上山市周辺よりも約1週間遅れとなるので、また今度に。あとはお天気を祈るのみ。

巨匠様も撮り鉄様も御用達。
00みゆき公園s★DSC00826.jpg01みゆき公園茂吉記念館前駅s★DSC00795.jpg
【左/みゆき公園 斎藤茂吉記念館周辺 右/JR奥羽本線 茂吉記念館前】

 国道13号線から上山市に入るところに「みゆき公園」があります。約200本もの桜の古木と蔵王連邦を一望する景色が楽しめる、上山市を代表する桜名所のひとつです。
 眺望の素晴らしさは、明治14年(1881年)の明治天皇東北巡幸における休憩地として選ばれたほど。そのことを記念して「御幸(みゆき)公園」と名付けられたのだとか。
 公園内には「斎藤茂吉記念館」があり、最寄駅の名もズバリ「茂吉記念館前駅」。公園から少し下ったところにあるJR奥羽本線の駅です。駅から記念館へと続く道が桜並木となっていて、さながら桜のトンネルのよう。『やっぱりいいよね、桜。』『ザ・ニッポンだよね。』
 上山市生まれの近代短歌の巨匠・斎藤茂吉は、生家の近くの『みゆき公園』にもよく訪れていたとか。『斎藤茂吉記念館』は今年開館50周を迎えるそうですが、残念なことに、今はリニューアルオープン(2018年4月27日)に向けて休館中。ただ、記念館の前に置かれた茂吉の胸像が、穏やかに桜並木を眺めていました。
 公園内には、茂吉の歌碑や、茂吉の勉強部屋(箱根の別荘にあったものを移築)、明治天皇東北巡幸の際の小休所を昭和56年(1981年)に復元した「環翠亭」も。また、今回は訪問しませんでしたが、公園から徒歩20分ほどのところに「茂吉の生家」も残されています。

05みゆき公園s★DSC00813.jpg03みゆき公園s★DSC00774.jpg06みゆき公園茂吉後姿s★DSC00833.jpg
【左/奥羽本線の車両 中/茂吉記念館前から斎藤茂吉記念館へ続く桜並木 右/斎藤茂吉記念館前 茂吉胸像】

 ところでこの「みゆき公園」、絶好の鉄道写真スポットとしても人気のようです。公園沿いに奥羽本線が通り、桜と車両を狙えるということで撮り鉄のファンが多いとか。
『せっかくだから撮らなくちゃ。』というわけで、駅の待合室で時刻表を確かめると、まもなく下り列車が入ってくるみたい。シャッターチャンスは一瞬なので逃せません。急いでポイントを決めてスタンバイ。『あ、列車がきた!』なんとか写真におさめることができましたが、いや〜、鉄道写真はムズカシイ。
 ちなみに「茂吉記念館前駅」の隣駅は、上り方面が「かみのやま温泉駅」下り方面が「蔵王駅」となります。駅名が「茂吉記念館前駅」に改められたのは平成4年(1992年)。かつては上山競馬場の最寄駅としてもにぎわったそうですが、今はその喧騒はありません。けれどもホームしかない無人駅のこじんまりとした佇まいにはどこか旅情をくすぐられるものがあります。
 この日は平日だったせいか、撮り鉄の方はいらっしゃらなったようですが、ビデオカメラを回して何かの取材をしていると思しき人や、ゆっくりと桜並木の散策を楽しまれている熟年カップルの姿もありました。

上山の中心で桜と蔵王を堪能する。

08月岡公園桜s★DSC00671.jpg10月岡公園散策路s★DSC00542.jpg12月岡公園散策路から眺望s★DSC00585.jpg
【左/月岡公園のしだれ桜 中/月岡公園散策路 右/月岡公園散策路からの眺望】

​ かみのやまの桜名所といえば、やはり街の中心の「月岡公園」。かつて羽州の名城として名を馳せた「上山城」、別名「月岡城」の二ノ丸跡に造られた公園です。公園全体が、小高い丘になっていて、様々の種類の桜が植えられています。
 また、現在公園内にある「上山城」は、1982年(昭和57年)に郷土資料館として建てられた模擬天守ですが、城下町上山を象徴するランドマークにもなっています。
 このお城と桜がコラボされた景観絡が一番の見所!…のはずだったのですが、あいにく、現在改修工事中だとかで、お城全体が防音シートですっぽり覆われて、その姿は全く見えずでした。これは残念。
 現在の「上山城」、実は郷土資料館で、展望台も兼ねています。工事期間中は展望台の利用はできませんが、資料館への入館自体は可能です。 屋根瓦等改修工事は北側階段側が平成30年(2018年)7月末まで、西側参道が平成31年(2019年)3月末まで。

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【左/月岡公園の桜 右/月岡公園遊具とベンチ】
​ とはいえ、公園内の桜は真っ盛り。ソメイヨシノやケイオウ桜など、約100本もの桜の木々が濃淡様々にそれぞれの花の色の競います。
 工事期間中でも、公園をぐるりと巡る散策路は通常通りに歩くことができ、桜のトンネルで歓迎してくれます。お城は見えずとも、この場所に残された石垣の跡などが、かつてこの地にお城があったことの名残を今に伝えています。
 『前もこの道通ったけど、やっぱり桜の季節は格別だね。』『街並みも、蔵王の景色もまた違った色に見えるね。』『ほら、あそこに見える赤い屋根は、夏に行った湯上観音じゃない?』

15月岡公園桜s★DSC00663.jpg16月岡公園桜古峯神社s★DSC00652.jpg17月岡公園桜古峯神社s★DSC00657.jpg
【左/月岡公園のしだれ桜 中/月岡公園古峯神社 右/月岡公園古峯神社から見るしだれ桜】

 散策路から階段を登って公園内の「古峯神社」へ。御祭神が日本武尊であるという以外の詳細はよくわからなかったのですが、例年であれば、ここの境内から池ごしでお城を臨むのがビューポイントのひとつとなったはずです。けれども、古いお社と桜を絡めた風情や、ここから眺める枝垂桜もなかなか絵になります。枝垂れ桜も種類が違うものが何本も植えられているらしく、濃淡の彩りが艶やかです。
 その時、池のそばで何かを狙っているっぽい、ちょいぶさな猫を発見。そうっとあとをつけてみると、神社の縁の下で毛づくろい中。でも、視線に気づかれて逃げられてしまいました。
​ 芝生や植栽で整備された公園内は、緩やかな段差のあるお散歩コースにもなっています。視界は蔵王方面に大きく開かれており、高台ならではの眺望を楽しめます。

18月岡公園桜足湯s★DSC00694.jpg19上山城かかし茶屋s★DSC00521.jpg21上山城かかし茶屋s★DSC00702.jpg
【左/月岡公園ふれあい足湯 中/月岡公園かかし茶屋 右/かかし茶屋 冷やし甘酒と玉こんにゃく】

 さらなる楽しみは、公園内にある「ふれあい足湯」。とりどりの桜に囲まれながら足湯でほっこり。市内には無料の足湯が点在していますが、ここの足湯は眺めも抜群。足湯につかりながら蔵王も市街地も見渡せて、なんだかちょっと得した気分。月岡公園の「ふれあい足湯」は午前6時〜午後10時まで利用できます。
 「上山城」の横の階段を降りると、お城の入り口前に出ます。門前広場の「かかし茶屋」は、休憩ができるお土産処。楢下宿で立ち寄った「丹野こんにゃく番所」の分店もあります。私達は玉こんと冷やし甘酒で一服。
 店内には地元の名産の他「上山城」のオリジナルブッズも。『そうそう、これも買っておかなくちゃ。』と、相方が手にしたのは、山形のソウルドリンクとも言われる「パインサイダー」。
 次は門前広場から一旦大駐車場方面に出て、隣接する「月岡神社」に向かいます。本来なら公園内からも行くことができるのですが、工事期間中は通リ抜けできません。ちなみに、大駐車場にはトイレも完備されており、マイカー利用の際は便利です。また、ここからの眺めもなかなかのもの。

本丸跡に伝わる先人の思い。
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【左/月岡神社参道の「大笠松木」 右/月岡神社主祭紙の案内板】

 「月岡公園」が二の丸跡なら、往時の「上山城」の本丸はどこにあったのか?その答えが「月岡神社」です。この神社のもともとの前身は本丸の中に祀られた東照宮でしたが、廃藩置県の際に江戸の藩邸に移されました。それを郷土の守り神として祈願したいとの声があがり、明治11年(1878年)、本丸跡に新たな社殿が建立されます。これが現在の「月岡神社」となります。
 「月岡神社」の桜も満開。ひなびた趣のある社殿や鐘楼が桜に映えます。参道の途中に堂々とした松の木があり「大笠松木」という石碑が添えられています。石碑には「明治十一年第九月 一、大笠松木 阿弥陀地村 但し老若男女弐百人余り四日間にして持運び」と記されており、当時の人々の神社建立への思いの強さが伺い知れるように思います。

22月岡神社s★DSC00478.jpg24月岡神社s★DSC00504.jpg25月岡神社沢庵由縁土岐桜s★DSC00507.jpg
【左/月岡神社の桜 中/月岡神社の鐘楼と桜 右/月岡神社「土岐桜」】

 境内の一角に「沢庵桜」の案内板が。それによれば、寛永6年(1629年)、京都大徳寺の長老である沢庵禅師は「紫衣事件」の咎により出羽国上山に配流となりました。これに対し、当時の藩主土岐頼行公は手厚く待遇し、禅師の教導を仰ぎながら、上山領発展の礎をつくる治績をあげています。
 配流の身となった禅師を慰めたのが本丸北の堀端に咲く見事な桜の古木で、領民からも「沢庵桜」と愛称されていたとのこと。原木は伐採や枯死の憂き目に会ったものの、ひこばえが残されており、その成木から苗木を育てて上山城跡や沢庵禅師ゆかりの地などに植樹。禅師の遺徳とそれを愛護した先人の心情を今に伝えています。
 上山藩は幕末まで存続しましたが「上山城」の城主を務める氏族はめまぐるしく変わっています。土岐氏の統治は頼行公・頼殷公の二代でしたが、この時代の本丸の庭園は沢庵禅師の設計によるものと言われます。
 土岐氏が転封されるまでの60余年間、仏門の須弥山を模して築造された室町風の庭園越しに蔵王連峰を眺め、花鳥風月を愛でていたとか。現在はその庭園の一部のみが僅かに残され、土岐氏在城の往時を忍ばせています。
 近年になって、土岐家19代当主の實光氏より、桜の苗木と土岐家江戸屋敷の石灯籠の寄贈がありました。それぞれ「土岐桜」「土岐灯篭」と名付けられ、後世へ伝えるものとして境内で大切にされています。


月岡ホテル

31中庭の桜s★DSC00418.jpg38中庭桜s★DSC00320.jpg30中庭s★DSC00312.jpg
【左/月岡ホテルほころびかけの桜 中/月岡ホテル中庭の桜 右/月岡ホテル中庭の東屋と桜】

 月岡公園の大駐車場から月岡ホテルまでは車で数分、ほんの目と鼻の先です。お庭の桜はまだつぼみも多く、満開まではもう少し。理由はよくわかりませんが、いつも周囲の桜よりも遅咲きなのだそうです。
 桜の種類はよくわからなかったのですが、もしかしたら山桜なのかも。ロビーから眺める庭園の左奥の上方には枝垂桜の枝も見えます。
 お庭全体には春めく柔らかな息吹を感じます。『お池の鯉もなんとなく嬉しそう。』『見る人の気分がそう感じさせるのかもね。』

32客室s★DSC06509チルトなし.jpg33客室s★DSC06538.jpg
【左/本丸「禁煙和洋室」和室 右/本丸「禁煙和洋室」ベッドルーム】

 今回のお部屋は、いつもとはちょっと趣の違う本丸の角部屋「禁煙和洋室」を予約。庭を見ながら寛げる和室とツインベッド。ベッドルームにはテラスもついています。窓からは桜も間近に。『こういう感じもいいね。』『このサイズ感もなんか落ち着く。』
 本丸のお部屋は北の丸よりも古いつくりで、お風呂への距離も若干遠目ですが、ちゃんとメンテナンスされているのでコスパ満足度あり。特にこのお部屋は、ほのかな昭和感込みで女子好みかも。この本丸の「禁煙和洋室」は館内に1室しかないので、予約するなら早いもの勝ち!

34客室より桜s★DSC00426.jpg35さくらんぼの湯s★DSC07116.jpg37さくらんぼの湯露天s★DSC07098.jpg
【左/「禁煙和洋室」の窓より 中/「さくらんぼの湯」大浴場 右/「さくらんぼの湯」露天風呂】

 旅装を解いてまずは一息。本日の御茶請けは「中條饅頭」と「種なし梅」。糖分と水分を補給したところで、早速「さくらんぼの湯」へ。『夕食前のまだ陽がある時間帯に湯に浸る贅沢よ。』『これはたまりませんな〜。』
 ところで今更ですが、温泉旅館に甘いお茶菓子が用意されているのは、ちゃんと理由があるんだとか。空腹のままお風呂に入ると血糖値が下がって、疲労感や立ちくらみなど引き起こす場合があるそうですが、血糖値をあげることによってそれを防ぐ効果があるとか。お茶で水分とビタミンCも補給するのも湯あたり防止に役立つそうですよ。

39夕食コンベs★DSC06580.jpg40夕食別注サーロインs★DSC06865.jpg41夕食ビュッフェs★DSC06624.jpg42夕食ビュッフェs★DSC06648.jpg
【左/バイキング会場 中左/別注山形牛サーロインステーキ 中右/菜の花と生ハムのスティック バーニャガウダのソースで 右/三元豚のローストと合鴨のロースト季節の野菜ソテー】

 夕食は「季節のこだわりバイキング」春バージョンです。そして今回は、別注で「山形牛のサーロインステーキ」をオーダー。合わせるお酒は、上山の地ワイン・タケダワイナリーの「蔵王スター」の赤。ちょっとした贅沢は自分たちへのご褒美。『って、なんかいつもご褒美ばっかりだね、私たち(笑)。』『たまの旅行の時くらい自分を甘やかしてあげないとね。そのくらい頑張っているはず(笑)。』
​ 別注メニューはこの他にも「100%米沢牛のじゅうじゅうハンバーグ」や「山形牛の赤ワイン煮」など、そそられるものばかりで目移りしちゃいます。

43夕食ビュッフェs★DSC06654.jpg44夕食ビュッフェs★DSC06734.jpg45夕食ビュッフェs★DSC06784.jpg49夕食ビュッフェs★DSC06709.jpg
【左/海の幸の盛り合わせ 中左/秋鮭の香草焼農園野菜添え 中右/鯛のお造り 右/山形のお漬物庄内温海かぶ漬】

 もちろんバイキングメーニューも抜け目なく堪能するつもり。春のメニューは山形や東北の春野菜を中心に、地元の食材をふんだんに使ったバラエティーとオリジナリティーに富んだ品揃え。 
 山形産のブランド米「つや姫」に、刻んだウコギの若葉を混ぜこんだ「うこぎご飯」は、春の香りがいっぱい。お料理の説明には「ウコギは上杉鷹山公が敵から身を守るため垣根に植え、非常食としても重宝された植物だった」とあります。
 また、地元産の味噌が使われていたり、米沢の酒蔵「香坂酒造」の酒かすを使ったクラムチャウダーなど、他のお料理にも工夫と美味しさがいっぱい。『ひとつひとつのお料理にこだわりやストーリーがあるんだね。』『季節感もご馳走だよね〜。』 

47夕食ビュッフェs★DSC06829.jpg48夕食ビュッフェ蕎麦打s★DSC06853.jpg50夕食ビュッフェフォンデュs★DSC06893.jpg51夕食ビュッフェs★DSC06884.jpg
【左/デザートミニケーキ 中左/手打ちそば実演 中右/チーズフォンデュ 右/バイキング盛り合わせ】

 四季を通しての定番となっている、手打ちそば、山形牛の牛丼、季節の天ぷらは、実演での提供です。打ち立て、つくりたてをぜひ。
 デザートも外せません。フルーツ、プチケーキ、ソフトクリーム、焼きたてクレープと、充実のラインナップ。『こんなに食べたけど、やっぱりデザートは別腹!』『プチサイズのケーキだと、全部試したくなっちゃう。』見た目も可愛くて、ホントに罪作りのケーキたちですが、スポンジとムースの層になっていて、食感としては少し軽め。その分、誘惑される罪悪感(?)も軽減…ということにしておきます(笑)。
 桜色のケーキは、ほんのり桜の風味で、ここにも春が。最後はドリップコーヒーで締めて満腹、満足。

55ら・ふらんすの湯s★DSC07048.jpg54ら・ふらんすの湯露天s★DSC06991.jpg56ら・ふらんすの湯s★DSC00395.jpg
【左/「ら・ふらんすの湯」大浴場 中/「ら・ふらんすの湯」露天風呂 右/春の陽光を映す「ら・ふらんすの湯」】
 
 翌朝も晴天。春眠を貪ってたい誘惑を振り切って朝風呂へ。大浴場は日替わりで男女が入れ替わるため、今朝は「ら・ふらんすの湯」へ。
 天露天風呂への引き戸を開けると、まだ肌寒さは残るものの、刺すような冬の空気とははっきり違っていて、季節の移り変わりを、文字通り身をもって感じます。
 庭園に面した露天風呂には目隠しがされているため、庭園の景色そのものを見ることはできませんが、すだれ越しにおだやかな陽光を感じます。
 『なんともいえないのどけさだよね〜。』『お布団にくるまれる心地よさも捨てがたいけど、早起きした甲斐あるね〜。』『早起きは三文の“得”だっけ?』『いや、それをいうなら“徳”だけどね(笑)。』

52朝の客室窓s★DSC00263.jpg58朝食茶漬s★DSC06938.jpg59朝食s★DSC06935.jpg
【左/本丸「禁煙和洋室」ベッドルームから朝の中庭を臨む 中/朝食お茶漬け 右/朝食バイキング盛り合わせ】

 お部屋に戻って、朝食までのひとときをテラスで。桜もお庭の木々もすぐ手の届く距離。『いいね。』『いいね。』言葉はこれだけで十分。
 朝食は「山形の朝を彩る食材が並ぶ和洋バイキング」。漬物、しそ巻き、そばの実なめこ、尾花沢の松前だしなど、山形ならではの「おさい」をはじめとする和メニューだけでなく、パン派も満足の洋風メニューもとりどり。ご飯党ならどちらのおかずでも。
 今朝のお米は「はえぬき」。昨夜の「つや姫」と並ぶ山形自慢のブランド米ですね。普通の白飯・おこげご飯・紅花入りの薬膳粥をお好みで選ぶことができますが、今回はおこげご飯と沢庵漬でお茶漬けにしていただきます。おこげの香ばしさがいい感じ!

29中庭s★DSC00307.jpg60中庭春s★DSC06984.jpg61桜湯s★DSC00412.jpg62アップルパイs★DSC07165.jpg
【左/中庭の桜と東屋 中左/春の中庭 中右/桜湯 右/アップルパイ】




武家屋敷通り
64武家屋敷の桜s★DSC00446.jpg65武家屋敷の桜s★DSC00452.jpg66武家屋敷の桜s★DSC00476.jpg

春雨庵

67春雨庵s★DSC00724.jpg68春雨庵s★DSC00734.jpg69春雨庵s★DSC07230.jpg

70春雨庵s★DSC07276.jpg71春雨庵茶室s★DSC07272.jpg74春雨庵s★DSC00729.jpg75春雨庵s★DSC00737.jpg

味津肥盧
76味津肥蘆s★DSC00709.jpg77味津肥蘆チャーシュー麺s★DSC07197.jpg78味津肥蘆づけ天そばs★DSC07214.jpg

霞城公園
82霞城公園二の丸東大手門を望むs★DSC00248.jpg88霞城公園二の丸東大手門s★DSC00239.jpg89霞城公園s★DSC00065.jpg

90霞城公園s★DSC00080.jpg91霞城公園s★DSC00222.jpg102霞城公園s★DSC00111.jpg

94霞城公園本丸一文字門s★DSC00206.jpg103霞城公園二の丸東大手門内s★DSC06469.jpg104霞城公園最上義光像s★DSC00233.jpg

済生館

95霞城公園旧済生館s★DSC00122.jpg99霞城公園旧済生館s★DSC06495.jpg101霞城公園旧済生館s★DSC00151.jpg

100霞城公園旧済生館s★DSC00183.jpg96霞城公園旧済生館s★DSC06505.jpg

さくらライン
92霞城公園s★DSC00189.jpg105馬見ヶ埼さくらラインs★DSC00050.jpg

睦月 雪の山寺・七日町闊歩【山形市 立石寺〜七日町】

水墨画の景色に憧れて。 
18山寺五大堂より★DSC05004s.jpg35月岡Hコンベ近く庭姿★DSC04720s.jpg48七日町文翔館★DSC04457s.jpg
【左/山寺五大堂からの景観 中/月岡ホテル中庭の冬景色 右/七日町・文翔館】

「雪の山寺って、まるで水墨画みたいに幻想的なんだって。」
 と、言いだしたのは旅の相方。山寺といえば、松尾芭蕉の『閑さや岩にしみ入蝉の声 (しずかさや いわにしみいる せみのこえ)』があまりにも有名です。どうしても『夏』のイメージが先行して、深い緑と真夏の陽射しとのまぶしいコントラストが浮かんでくるのですが、その情景が『墨の濃淡だけで描き出されるモノクロームの世界』になるというのです。そうと聞いたからには、ぜひとも生で見ねばなりますまい。これで、今回の『湯散歩女子のふたり旅』の目的は決定です。
 山寺のある山形市は、おなじみの上山市のすぐお隣。となれば、もちろん宿はいつもの月岡ホテルに決まり。「お庭の冬バージョンも気になるよね。」「冷えた体には温泉が最高!のはず。」「だよね。」
 山寺〜かみのやま温泉までは、グリーンシーズンならば車でおよそ50分ほど。「今回は雪道だから、時間はもうちょっと余裕を持って見た方がいいね。」「安全第一。いつも以上にのんびりでいいよ(笑)。」折しも今年は雪の当たり年。どんな景色が見られるのかとても楽しみ。

雪の山寺、千余段の石段と戦う。 

​ 東北高速道の山形北ICを降りれば、約20分ほどで山寺です。この日は、冬の日には珍しいくらいの快晴。前日はたんまりと雪が降ったらしく、真っ白な雪がまぶしい。
 山寺の正式名称は『宝珠山 立石寺』。慈覚大師が開いた天台宗のお山です。そして山寺といえば、山頂の奥の院まで果てし無く続く石段。裏道から車で…なーんてルートがあるはずもなく、ただひたすら自分の足で登るしかないのです。というわけで、車はふもとの駐車場へ。立石寺参詣者用の専用駐車場はありませんが、JR山寺駅の周辺などに有料駐車場が整備されています。参道近くの食堂などの私設の有料駐車場を利用することもできます。「女子的には参道からあまり遠くない方が嬉しいよね。」

02山寺入口へ★DSC04851s.jpg04山寺本坊御朱印s.jpg03山寺本坊の猫★DSC05068s.jpg
【左/山寺入口へ 中/山寺本坊御朱印 右/山寺本坊の猫】

 「 万全の防寒対策と、滑らないブーツの装備を忘れないように。」という相方の司令により、防寒防滑ブーツを用意しました。あったかインナーの上下を着込み、使い捨てカイロをあちこちに貼り付けて準備オッケー。登山口に向かう前に、まずは大きな神楽岩のある『立石寺本坊』で御朱印をいただきます。ふと見ると、縁側の陽だまりの中で猫ちゃんが気持ちよさそうにお昼寝をしています。和んだところでいざ出陣!
 入山料は登山口となる山門の入り口で。大人は一人300円です。冬場ではありながら思いのほかの人出。杉の大木の間をジグザグと縫うように続く雪の石段。足元に気をつけながら慎重に登って行きます。石段の半分ほどは雪に埋もれて足場がおぼつかなく、自然と手すりにすがりたくなるので、手袋は軍手の方が良かったかも。

07山寺山門★DSC04877s.jpg08山寺傘笠岩あたり★DSC04892s.jpg10山寺手に雪仏★DSC04906s.jpg
【左/山寺山門 中/修行者の参道を行く 右/参道の仏様】

 石段の途中途中に、石に彫られた仏様が。半分雪にうもれながらも微笑んでいらっしゃる。木々の隙間から差し込む光と輝く雪。スポットライトの中で真っ白な布を差し出しているように見える仏様も。
 「あ、このお堂の中を見て。」「おー。なんか怖いお顔だね。」ふと見ると近くに御触書の形をした説明板があります。解説によれば、このお堂は『姥堂』、恐ろしげなお方は『奪衣婆』でここのご本蔵。『姥堂』は、ここから下が地獄、ここから上が極楽という浄土口を示しており、ここで身を清めて新しい着物に着替え、古い着物を奉納したのだとか。石段を登るということには、一歩ごとに俗欲や汚れを消滅させるという意味があるということもここで知りました。山中にはこのような説明板が番号付きで立てられているので、​チェックしながら登るのはアリ。
 『姥堂』の隣には、慈覚大師が雨宿りをしたと言われる『笠岩』があり、このあたりから参道も急になっていくと言われています。もっとも、雪の参道はしょっぱなから歩ける道幅が狭かったり、足元が厳しかったりしたせいか、“このへんから道が急になった”という実感は特になかったかも。途中の案内板には『修行者の参道』の文字が。そうか、私達は今、修行者なのか。

09山寺姥堂★DSC04883s.jpg11山寺せみ塚あたり★DSC04915s.jpg12山寺弥陀堂から仁王門★DSC04929s.jpg
【左/姥堂・奪衣婆 中/せみ塚付近 右/弥陀堂から仁王門をのぞむ】

 ほぼ中腹まで登ると『せみ塚』があります。「蝉といえば、もちろん芭蕉のあの句だよね。」「じゃあ、ここで?」「…というか、この塚自体は、あの句を書いた短冊をこの地に埋めたということを示すものらしいよ。」と、またも案内板に教えられました。短冊を埋めたのも塚をたてたのも後人ですが、やはり山寺と芭蕉と蝉は切っても切れない関係のようです。今日の『せみ塚』は雪に埋もれてますが。案内板には『奥の細道」の一節も添えられています。
 続くスポットは『弥陀洞』。自然に風化した岩が観音様に見える…とか。この『弥陀洞』ごしに『仁王門』を狙ったアングルは、観光写真の撮影スポットとしても代表的ですね。「そうそう、こんな感じの角度のは良く見る気がする。」「だって、やっぱり絵になるもの。」そんなわけで、ここまでくれば、山寺の中枢への入り口ともいえる『仁王門』はもうすぐ目の前。
 しかしなんと!ここまで来て『仁王門』に続く石段が、完全に雪に埋もれてスロープ状態に。そのせいか、ほとんどの人がここであきらめて引き返していく様子。「どうするコレ?」「いや〜、さすがに無理じゃ?」「でもここまで来たからにはなぁ。」

14山寺仁王門くぐる★DSC04940s.jpg22山寺あとからの人★DSC05053s.jpg13山寺修行屈★DSC04935s.jpg
​​​【左/仁王門をくぐる石段 中/仁王門からさらに雪に埋もれた参道を登る人々 右/修行の岩場】

 などど戸惑っていると、あとから登ってきた一人のおじさんが慣れた様子でうまく雪に足場をつくりながら、私達の横をすり抜けてひょいっと登っていきました。「うん。これは行くしかないね。」「まじ?」「これも修行です。」というわけで、我々も強行突破することに。雪につま先を刺して、体を雪に預けるようにしながらよじ登ります。「ぎゃあ、無理〜。遭難する〜。」「これって帰りはどうなるの〜?」などど大騒ぎしつつもなんとかクリアすることができました。 
 『仁王門』の先の高台は、これまでの四方の頭上から迫ってくるような木々に囲まれた風景とは一変して視界が開けます。いくつもの院やお堂などが山のあちこちに点在する様子は、まさに天上の聖地。そして意外なことに先客の人たちが結構いらっしゃっていて、ちょっとびっくり。やけに美人さん揃いのグループやカップルとおぼしき男女、もれ聞こえてくる会話の言葉から、その多くがアジア系の方々と思われます。すると、みなさん、あの難所を超えて登ってきたのね…。「日本の観光に、あえての冬の山寺を選ぶとは。」「なんというか、バイタリティーを感じるね。」
 
15山寺納経堂★DSC04972ちs.jpg16山寺開山堂の彫★DSC04985s.jpg17山寺五大堂★DSC03608s.jpg
【左/納経堂 中/開山堂の彫刻 右/五大堂】

 参道の脇の『開山堂』に続く石段を登ってみます。するとそこに見えたのは、凛と冴えた青空を背景に、美しく雪化粧された天上界と下界とがひとつとなった圧巻の景色。「すごい!」「きれい!」もはやこれしか言葉がありません。『開山堂』のすぐそばにある『五大堂』からは、さらに下界が一望できます。注がれる陽の光にいっそう白く輝く雪景色と澄んだ青空のコントラストは、最初に想像していた“墨絵の世界”ともまた違う美しさ。ここまで登ってきて、本当に本当に良かった。そう思える瞬間でした。この景色との出会いもまた一期一会というのでしょうか?いえ、まさに一期一会の出会いそのものだと言い切りたい。
 『開山堂』は開祖の慈覚大師の廟所で大師の座像が安置されています。信仰の場としても重要ですが、お堂の彫刻も見事。そのすぐ隣が『納経堂』。ここも山寺の象徴的な絵のひとつ。宗徒が写経した法華経が納められており、真下には慈覚大師の眠る『入定窟』があります。また、この小さな赤いお堂は山内で最古の建物なのだとか。展望台でもある『五大堂』は、五大明王を祀って天下泰平を祈る道場とのこと。なるほど。だから広々としているんですね。
 あたりの岩場にはたくさんの窟があり、危険な岩場を通ってお釈迦様の御許にいたる修行の場となっています。現在は(本物の)修行者以外は登山禁止ですが、かつては煩悩にまみれた修行者の転落死も多かったとか。この季節は雪と氷に覆われていて、なおのこと修行の厳しさを感じます。

24山寺薬師如来&性相院御朱印s.jpg20山寺さすり仏★DSC05022s.jpg
【左/性相院でいただいた薬師如来と毘沙門天の御朱印 右/おびんずるさま】

 ​ 支院のひとつの『性相院』にお寄りして、御朱印をいただきました。実は山寺には多くの御朱印所があり、一度にたくさんの御朱印巡りができるということでも人気になっているようです。ただ、少なからずはっとさせられたのが、御朱印料を納める際にいただいた「本来御朱印は、納経した証として授けるものなんですよ。」というお言葉。そうですね。御朱印巡りは楽しいことですが、本来の意味をおろそかにして、ただ集めることだけを目的にしてはいけないということですよね。これは肝に命じておかなければと思います。 ​
『中性院』では、つるつるピカピカの撫で仏『おびんずる様』が迎えてくださいます。​長寿を授ける仏様で、像を撫でると病気が治り、病気にかからないのだとか。ぼけ封じのご利益も。さっそく私達も撫でさせていただきました。ありがたや〜。
 『奥の院』に向かう道すがら、小さなポストを発見。「こんな山の上に!」「ミニサイズ、可愛い。」白い雪の中にポツンとした赤がメルヘンな感じ。平日と土曜日、1日1回の集荷のようです。「そうか。でも、郵便屋さんも大変だね。」お手紙を運ぶために毎日この石段を自分の足だけで登り降りするんですね。お仕事とはいえ、頭の下がることです。

19山寺ポスト★DSC05025s.jpg21山寺大仏殿から見晴らし★DSC05028s.jpg23山寺転び注意★DSC04932s.jpg
【左/参道沿いで見つけた郵便ポスト 中/奥の院・大仏殿からの見晴らし 右/絵に描いたようにコケました】

 山寺の一番奥に位置するのが『奥の院』です。正式には『如法堂』。御本尊は慈覚大師が中国での修行中持ち歩いた釈迦如来と多聞天。また大仏殿には高さ5mあまりの阿弥陀如来がいらっしゃいます。そしてここが参道の終点。ここまで本当に長かった…。「ところで、山寺の石段って本当は何段なの?」「1000段以上あるのは確かだけど、数え方にも諸説あるみたい。」「説明板には『奥の院まで千十余段』って書いてるね。」「ん?『千十』だけ手書き?」「雪中行軍した分は『段』って言わないよね(笑)。」ともあれ1000段以上を登りきった。私達はめちゃ頑張った。
 さて、登ったからには降りなければなりません。階段や坂道は、えてして下りの方が危険です。ましてやこの足元。意を決して下りの参道へ。あれ?来た時よりも石段が見えるようになっている?どなたかたが雪を掃いてくださったようです。なんとありがたい。とはいえ、踏み固められた雪が氷のようになっていて段が見えないアブナげな感じの箇所はところどころ残っており…。
 手すりにつかまりながらソロソロと降りるも、案の定、ずるっと滑ってものの見事にコケることに。「うわ、大丈夫⁉︎」「く〜。やっちゃった。いたたた…。」このブーツ防滑の甲斐なし。防寒ブーツに毛が生えたものでは太刀打ちならずということか。そういえば入り口に貸し長靴があったような…。もしかしたら、それを借りた方が良かったかな?今更だけど。そうこうしながらも無事に下界に生還することができました。

月岡ホテルの湯気にぬくもる。 

25月岡Hかせどり★DSC04839s.jpg26月岡Hラウンジと雪★DSC04802s.jpg25月岡H雪の庭園と全景☆DSC03161合角s.jpg
【左/加瀬鳥のゲンダイ 中/ラウンジから雪の庭園を眺める 右/庭園の雪景色とホテル建物】

 雪道を慎重に走行して月岡ホテルに。玄関では大きな藁人形(?)が歓迎してくれています。どうやらこれは、上山の『加勢鳥(かせどり)』というお祭りに使うかぶりもので『ゲンダイ』というらしい。「そういえば、上山には面白い冬の奇習があるって話を聞いたことがあった!これのことか。」さすが相方。『加勢鳥』は毎年2月11日に開催される旧暦小正月のお祭りで、『ゲンダイ』をかぶって『加勢鳥』(神の化身)に扮した若者達に、手桶の祝い水をかけて五穀豊穣や商売繁盛を祈るものだそうです。江戸の初期からの風習で、一時途絶えていたものを昭和の代に復活させたのだとか。「『加勢鳥』達はカッカッカーとか言いながら歌って踊って市内をまわるらしいよ。」「寒そうだけど楽しそう!」
 ロビーに入ると、庭園の雪景色が目に留まります。「きれい。」「すてき!」今まで見て来た夏の緑、秋の彩とは一変して、雪に覆われた木々達とその影を映す池のモノクローム。同じ庭園でも季節よってこんなに表情が違うんですね。これほどまでに劇的な変化を楽しめるのも雪国ならでは。

31月岡H客室より★DSC04724s.jpg30月岡H客室より★DSC04689s.jpg29月岡H客室★DSC03102s.jpg
【左/客室からの冬景色と山並 中/客室から眺める冬の景 右/北の丸客室】

 お部屋からの風景もまた白一色。蔵王をはじめとする遠くの山々から近くの木立、民家の屋根や地面に到るまで一面の銀世界。「きれいだね〜。」「暖かいお部屋から眺める雪景色も格別だね〜。」と言いながら、ほっと一服。お茶請けはお部屋に用意されていた『中條饅頭』。餡子のほどよい甘さとあたたかな緑茶の湯気にほっこり。雪道運転の緊張もようやくほどけた感じがします。
 浴衣の羽織は冬仕様の厚手のものに。こちらは男女共用。足袋ソックスの心づくしもぬかりありません。浴衣のサイズは、今回は「大」にしてみました。私の場合「中」を着ると、丈がくるぶしの上あたりになります。夏秋の時は足さばきの良い丈でちょうど良かったのですが、今回は足首がスースーして寒かったのです。「大」なら足首まですっぽり隠れて大丈夫。
 サイズ違いの浴衣は通路に用意されているので臨機応変に選べます。「大」は身幅も大きくなるけど、打ち合わせが深くなるから開けにくくなって、案外一石二鳥かも。

33月岡Hら・ふらんすの湯内湯★DSC03413s.jpg32月岡Hら・ふらんすの湯露天風呂☆DSC03450合s.jpg
【左/ら・ふらんすの湯 内風呂 右/雪見の ら・ふらんすの湯 露天風呂】

 まだ陽のあるうちに早速お風呂へ。早く体を芯から温めたい!日替わりで男女入れ替えになる大浴場。本日の女子湯は『ら・ふらんすの湯』。広々とした内湯は湯けむりでいっぱい。透明でくせがなく、湯あたりのやわらかなお湯がじんわりと効いて来ます。「は〜。」「沁みるわ〜。」
 足の先まで温まったところで露天風呂へ。扉を開けると身を刺すような冷気。石床を踏むと氷のような冷たさが足の裏に。でもお湯に浸かってしまえば、外気のこの寒さこそが心地いい。
 冷気に触れた湯面からもうもうと立ち上る湯けむり。その湯気ごしに雪の庭園を眺めながら存分に湯の温もりを味わう。これぞ、ザ・雪国の露天風呂の醍醐味!「からだはぽかぽかなのに、顔がつめたくて気持ちいい〜。」「寒いけど温かいってやつ?」「寒いからこそ温かい。とも言うよね。」「そうだね。やっぱり冷えた体に温泉は最高。」「今日がんばったごほうびだね。」

27月岡Hロビーから雪中庭★DSC03116s.jpg38月岡H夕ブッフェ★DSC03190s.jpg39月岡H夕ブッフェ★DSC03329s.jpg
【左/雪景色の庭園 中/夕食・海の幸の盛り合わせオニオンとコリンキーのサラダ添え 右/夕食・揚げたて天ぷら】

 お食事もお目当のひとつ。本日の夕食は『季節のこだわりバイキング』。“季節の”と銘打っているだけあって、地元産の冬の食材をふんだんに使ったメニューがずらり。当然ながら、前回いただいた夏メニューとはガラリと内容が変わっています。各メニューにはこだわりポイントが添えられていて、それを読みながら選ぶのも楽しい。もちろん定番になっている手打ちそば、揚げたて天ぷら、牛丼の各実演コーナーも。「どれも美味しそう。」「目移りしちゃう。」
 上山産のワイン『蔵王スター』で牛肉を煮込んだエストファードや、上山の伝統野菜『金谷ごぼう』と『丹野こんにゃく』の当座煮など、お肉や野菜はもちろん、その他の食材にも地元産のこだわりを感じます。「丹野こんにゃくといえば、秋に行った“こんにゃく番所”を思い出すね。」「なんだか、知り合いに会ったような気分だね。」
 漬物王国と言われる山形だけあって、お漬物の種類も豊富。ピリ辛くて美味しい『ぺそら漬』は名前もユニーク。山形のブランド米『つや姫』との相性もばっちり。

36月岡H夕ブッフェ★DSC03274s.jpg42月岡H夕ブッフェ★DSC03368s.jpg40月岡H夕ブッフェ★DSC03299s.jpg
【左/夕食・鯛のお造り 中/夕食バイキング盛り合わせ 右/夕食・デザートのプチケーチ】

 好きなものを好きなだけ選んでも、いろんなもの少しずつ選んでもいいのが、ビュッフェスタイルの嬉しいところ。お刺身で海鮮丼をつくってみたり、打ちたてお蕎麦に揚げたて天ぷらを乗せてみたりのアレンジも工夫次第。だけど、女子の胃袋では全種類を制覇しきれないのがなんとも悔しい。
 もっとも、もうお腹に入らない…などといいながらもデザートは別腹です。プチケーキにフルーツ、チョコフォンデュ、目の前で焼きあげるクレープ、ソフトクリーム。ソフトクリームは牛乳の味が優しいさっぱりタイプ。マシンを使って自分で作ります。
 「ソフトにイチゴソースをかけると美味しいよ!」と相方。イチゴソースはクレープコーナーにありました。イチゴの他にもブリーベリーやラフランスのフルーツソース、チョコソース、メープルシロップが用意されています。私はソフトにフルーツとチョコソースをトッピングしてパフェ風に。締めのコーヒーをいただいて大満足。

44月岡H露天風呂★DSC04756s.jpg43月岡H夕ブッフェ★DSC04727s.jpg45月岡H朝食★DSC03406s.jpg
【左/さくらんぼの湯 露天風呂湯口 中/温泉街の冬景色  右/朝食バイキング盛り合わせ】

 翌朝は目覚めと同時に朝風呂へ。本日は『さくらんぼの湯』が女湯です。「朝の雪見風呂もかくべつ〜。」「冬ならではの贅沢だよね〜。」昨夜の『ら・ふらんすの湯』に比べると露天風呂のお湯の温度はやや熱め。小ぶりな分、お湯が冷気に触れる表面積が少ないからかも。両方のお風呂の特徴の違いをこんな風に味わい分けるのも通っぽい、なんてこっそり悦に入ったりして。
 夕べあんなに食べたはずなのに、朝食バイキングのチョイスもついつい欲張りに。『そばの実なめこ』や『シソ巻き』といった山形ならではのごはんのお供や、焼きたてオムレツ、前々から気になっていた月岡ホテル特製カレーなどなど。今朝のごはんは『はえぬき』。もちろん山形のブランド米です。腹ごしらえが済んだら、山形市の市街地方面を目指します。

白銀の七日町界隈はレトロの世界。 

46七日町文翔館★DSC05130s.jpg71七日町文翔館旧券会議場写し★DSC04660s.jpg50七日町文翔館★DSC02957s.jpg
【左/七日町大通り方面から文翔館を臨む 中/文翔館旧県会議場(写し) 右/文翔館玄関】

 城下町でもある山形市内の商店街は旧羽州街道添いに形成されています。一と九の市日を除いた市日の地名が町名として今も残り、十日町から七日町にかかる目抜通りは夏の花笠パレードの舞台にもなっています。その大通りの突き当たりにある豪奢な洋館が『文翔館』です。
 『文翔館』は大正5年に竣工された『旧山形県庁および県会議事堂』で、現在は『山形郷土館』として公開されています。イギリスルネッサンス様式のレンガ造りの建物が目を引きますが、とりわけ印象的な時計台は、日本で二番目に古いのだとか。外観の迫力にも圧倒されますが、当時の工法で忠実に修復されたという内装も素晴らしく素敵です。そして驚くことに入場料も見学料もなんと無料!

51七日町文翔館中央階段室★DSC03063s.jpg52七日町文翔館正庁★DSC02970s.jpg55七日町文翔館★DSC04499s.jpg
【左/中央階段室 中/正庁 右/回廊】

 玄関を入るとすぐに階段室となります。石造りの柱とアーチ型の梁をくぐる形で階段に続きます。階段上の窓にはステンドグラス。当時のものをそのままクリーニングしたものだそう。建物は中庭を囲んだ回廊式で、通路の外側にお部屋が並んでいる造りになっています。施設全体を通して言えることですが、一部屋ごとに異なった内装や装飾もみどころ。
 最初のお部屋はステンドグラスの対面にある正庁。西洋の貴族のお屋敷をイメージさせるような華麗な室内。寄木貼りの床や大理石の飾り柱は当時のまま。花飾り付きの漆喰天井こそ復原とはいうものの、当時の工法を忠実に再現しており、各所の手のかかった細工は目を見張るものがあります。
 また、この部屋には高橋由一の描いた『山形市街図』(複製)が飾られています。高橋由一といえば『日本で最初の洋画家』と言われる巨匠。『鮭』の絵でも有名ですね。

54七日町文翔館★DSC04488s.jpg53七日町文翔館知事室★DSC04482s.jpg56七日町文翔館内務部長室★DSC03017s.jpg
【右/続き部屋 中/知事室 右/内務部長室】

 次いで、続き部屋となっている貴賓室・知事官房・知事室。知事室の暖炉やカーデンボーックスは当時のもの。絨毯は昭和35年に山形で織られたもので、実際にこの部屋で使われていたものをクリーニングして敷き直したとか。豪華でけれどもどこか和洋折衷な佇まいはレトロな雰囲気たっぷり。
 「すごく凝ってるね。」「ここって、あの映画のロケ地でもあるんだよね。」あの映画とは『るろうに剣心 京都大火編』のこと。内装の壁紙が印象的な知事室は内閣府として使われています。赤レンガが特徴的な中庭も、映画の中で見覚えがあるのではないでしょうか。

57七日町文翔館★展示館DSC03003s.jpg64七日町文翔館ざんぎり頭★DSC04537s.jpg65七日町文翔館イケメン庄内藩知事酒井忠宝★DSC04539s.jpg
【左/展示室「記念碑の回廊」 中/ザンギリ頭 右/庄内藩知事・酒井忠宝】

 展示室エリアの『記念碑の回廊』では明治から現代までの山形県の歴史を、5つの時代に分けて展示しています。思いの外充実した内容とボリューム。ふたりともすっかり時間を忘れて夢中になってしまったほど。通り一遍の沿革的な紹介にとどまらず、当時の風俗や流行などもふんだんに紹介されていて興味い。
 「〜文明開化の音がする」と、都々逸でうたわれた『ザンギリ頭』の袴男子の写真を発見。地元士族の子弟かと思われますが、よく見ると、手に持っているのは刀剣ではなく、ステッキとたばこ入れ。これも当時のご時世なのかも。
 「このイケメンさんはいったいどなた?」と、トキめいたのは庄内藩知事・酒井忠宝公のお写真。最後の庄内藩主でもあります。庄内藩は兄君である忠篤公の代に戊辰戦争で朝敵とされてしまいますが、多額の献金と引き換えに存続を許され、弟の忠宝公が藩主に据えられました。庄内藩への仕置が寛大だったため、庄内藩の人々の中に西郷隆盛への敬愛が生まれたと言います。それにしても忠宝公のお写真はステキ。

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【左/山形県主催奥羽六県連合共進会記念絵葉書 右/高橋由一・南置賜郡萬世新道ノ内栗子隧道西口ノ図】

 古い絵葉書や図版、雑誌や教科書などの印刷物なども見飽きません。海外の博覧会の賞状は、とにかく絵柄が綺麗。長井紬の絣見本帳は個人的に欲しい(笑)。
 「あれ?この絵も高橋由一が描いたんだって。」「へぇ。こんなものも手がけていたのね。」そこに描かれていたのはトンネル工事の記録図です。
 正庁に飾られていた『山形市街図』は油彩画でしたが、こちらはさらりとしたスケッチ画。県令・三島通庸の要請によるものだそう。高橋由一の『山形市街図(油彩)』と『山形県景観画集(淡彩)』は山形県の文化財に指定されています。
 三島通庸は山形県の初代県令。元薩摩藩士で新政府の官僚。廃藩置県の政策により中央から派遣された人物ではありますが、山形県の近代化に大きな実績を残しています。道路整備に尽力し、地方郡役所の建築にも力を入れました。その擬洋風建築の建物には新しい時代への期待を起こさせる狙いがあったと言います。
 『文翔館』は、三島通庸が建てた山形県庁舎と県会議事堂が明治44年の大火で失われたため、それを復興するという形で建築されたものでもありました。

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【左/召集令状(赤紙) 中/妊産婦用鰹節配給領収書 右/戦後初の投票箱】

 戦時下のくらしのコーナーには、召集令状(赤紙)や慰問袋が。おじいちゃんおばあちゃんの話やドラマなどでは耳にしたことがあるけど、実際に目にするとリアル。「赤紙って、本当に赤い紙なんだね。」「突然に家族にこんなのが届いたら…。」慰問袋には可愛らしい男の子と女の子のほのぼのイラストがプリントされていましたが、なんだかかえって悲しいような気持ちに。戦時中の大政翼賛会の、スローガンのみが印刷されたポスターも展示されています。
 戦後の民主化と県民のくらしのコーナーには配給領収書の束がありました。配給制度があったことは知っていても、領収書もあったことは知りませんでした。モンペ姿の女性たちが投票をしている写真もありましたが、そういえば日本で女性に参政権が認められたのって、第二次世界大戦後からだったんですよね。今あたりまえのことがあたりまえではない時代があったことを忘れてはいけませんね。

66七日町文翔館★DSC04566s.jpg68七日町文翔館会計課・銀行出納係★DSC04619s.jpg67七日町文翔館昔の計算機?★DSC04615s.jpg
【左/中庭に面した回廊からの景 中/会計課・銀行出納係 右/機械式計算機】

 会計課・銀行出納課では、等身大のお人形で当時のお仕事風景を再現しています。室内の調度は大正から昭和初期のものを復原したものだそうですが、お人形さんたちの設定は昭和14年頃だそう。衣装も風貌も当時の雰囲気そのままで、一瞬、本当に人がいる!と思ってしまいました。
 メガネをかけたちょび髭の課長さんに何かを報告しているような袴姿の女性職員。その近くで生真面目そうな男性職員が、アームカーバーをかけてソロバンをはじいています。同じ机上には、手回しの機械式計算機も置かれています。「これってどうやって使うんだろう?」「わかんないけど、なんかかっこいい。」
 お仕事風景は、銀行窓口のカウンターからも奥の方に眺めることができます。木造りのカウンターは取り外されていたものを復元したそうですが、かつては銀行の機能も兼ねていたんですね。床は当時のままで、四角のコンクリートがオシャレに敷き詰められています。

70七日町文翔館カフェ★DSC03041s.jpg69七日町文翔館カフェ窓★DSC04647s.jpg72七日町文翔館中庭★DSC04667s.jpg
【左/カフェ(耕地整理製図室) 中/カフェより中庭を眺める 右/文翔館中庭】

 かつての耕地整理製図室には喫茶室「カフェ・ド・シベール」が併設されています。山形に本社を置くパン・洋菓子メーカーがプロデュース。中庭を眺めながらのお茶は時代感に浸るのにぴったり。ランチや軽食もあります。お値段もお手頃なのが嬉しい。
 喫茶室では『やまがたレトロ館』のポストカード販売もしています。山形の古い建物を描いた繊細で緻密なペン画に一目ぼれ。バラ売りもありましたが思わず10枚セットを買っちゃいました。
 『旧県庁』と『旧県会議事堂』は廊下で繋がっています。『旧県会議事堂』の議場ホールを見学したかったのですが、次の日に大きなイベントがあるとかでお取り込み中。二階の半円形の窓から見学することに。ちょっと残念でしたが、リノリウム貼りの階段や、モダンなタイル張りの水洗トイレ(使えません!)など他にも見所はたくさん。階段の欄干にハート型のくり抜きを発見。いちいち乙女心をくすぐってくる『文翔館』おそるべし。「また来て見たいね。」「次回はグリーンシーズンがいいね。」「バルコニーにも出たいしね。」

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【左/御殿堰 中/御二階通路 右/庄司屋桜えび天おろしそば】

 山形市内には『山形五堰』と呼ばれる水路が網の目のように巡らされています。江戸時代の初期に生活や農業の用水路として築かれ、現在はその多くが暗渠となっていますが、歴史的遺産として保存活用する動きもみられます。
 五堰のうちの『御殿堰』は、山形城の城濠に流入することから名付けられ、城濠から七日町を結ぶ形で市街地の東西を横切ります。この流れと七日町の大通りが交わる地点に親水スポットが整備され、併設する商業施設として設けられたのが『水の町家 七日町御殿堰』。飲食店もいくつか入っていますが、今回は『庄司屋』さんでランチをいただくことにしました。
 『庄司屋』さんは、そば処山形の中でも江戸時代から続く有数の老舗で、本店の創業は慶応元年(1865年)とか。私は『桜えび天おろしそば』を注文。ぱらぱらと揚げられた桜エビのふわっとした香ばしさと、さっぱりした大根おろしと、細めでつるっとしたお蕎麦がマッチしていて美味しい。ぺろっといただきました。ここのお蕎麦は10:1の「といちそば」だそうですが、このお店で一番人気の『天ざる』を注文した相方も「美味!さすが老舗の一番人気。」と、満足げ。

77御殿堰奥山清行ショップ★DSC03650s.jpg81七日町まつのや旗店★DSC05146s.jpg
【左/奥山清行ショップ 右/まつのや旗店】
 
 お腹も満たされたところでゆっくりショッピング。『水の町家 七日町御殿堰』には飲食店の他、老舗のお茶屋さんや呉服店、米沢織や和雑貨のお店などが入店しています。
 その中でも特に気になったのが『KEN OKUYAM CASA山形御殿堰店』。山形市出身のプロダクトデザイナー奥山清行氏のお店です。奥山氏といえば「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男」として知られる存在。その奥山氏のセンスと日本の伝統工芸の技術のコラボというのが商品のコンセプトになっています。ティーポットやカップなどの美しく実用的な生活雑貨が並び、奥山氏の様々なデザイン画やデザインのラフなども展示されていて、お店の雰囲気はちょっとしたアートギャラリー。見るだけでも楽しい。 
 ところで、山形市では『やまがた建物時代絵巻ウォーク』と称したスタンプラリーを実施してます。『七日町御殿堰』(山形五堰)もスタンプポイントのひとつ。『岩渕茶舗』さんで台紙をもらってスタンプをゲットしました。
 スタンプラリーのコースは山形市内の江戸時代から平成の建物を巡るものですが、七日町の通りをそぞろ歩くだけでも面白い!ここは新しいと古いが混在した、なかなかに興味深い街並みです。

80七日町二郵便局★DSC05138s.jpg82七日町渋谷食品店★DSC05141s.jpg83渋谷食品店大福まんじゅう★DSC05148s.jpg
【左/七日町二郵便局 中/渋谷食品店 右/渋谷食品店大福まんじゅう】

 例えば『まつのや旗店』さん。「ザ・昭和レトロ」の懐かしい雰囲気が満載。『山形市七日町郵便局』のミニチュア洋館のような佇まいにも心惹かれます。なんでも建てられたのは大正14年で、当初は洋品屋さんだったとか。「なんてキュートな建物!」「これはいつまでも残してほしいね。」
 途中で『名物大福まんぢう』の色あせたのれんを見逃さなかった相方はさすがです。「なに?だいふくまんじゅう?」「たべてみよう!」ということでひとつ108円。見た目は大福でまんじゅうでもなくて少し小ぶりの今川焼き?でも皮は薄くてちょっぴりもちもち。あんこは甘さひかえめのつぶあん。炭火で焼きたてアツアツだったので歩きながらぱくり。冷えたからだに芯から美味しい。
 『渋谷食品店』さんの店構えは実に質素で控えめですが、実は大福まんじゅうの大人気店だったということを後から知ってびっくり、とともに納得です。さらに秋冬限定商品だそうで、巡りあえてラッキーでした!
 ほんとはまだまだ歩き足りないけど、今回はここで時間切れ。正直超寒かったけど、寒いからこその美しさや美味しさや楽しみというものを発見できた旅でもありました。「冬の旅もいいもんだね。」「冬こそ雪国。はアリだね。」そんなわけでまた次回。

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■湯散歩の立ち寄り場所詳細は「続きを読む」をクリック!

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